逆浸透膜/RO浄水器JP

Buyer's Guide — How to Verify PFAS Removal Claims

「PFAS除去」をうたう浄水器の見分け方

浄水器の販売ページで見かける「PFAS除去」という表示。同じ言葉でも、何を根拠にしているかで信頼度はまったく違います。専門知識がなくても確かめられる5つのポイントと、販売者への質問のしかたをまとめました。当社製品を含め、すべての浄水器に同じ基準で当てはめてご確認ください。

このページの立場

  1. 特定の製品や販売者を批判する目的のページではありません。判断の材料を提供することが目的です。
  2. 当社もRO浄水器を販売しています。その当社自身が5つのポイントにどう答えているかも、最後に同じ形式で開示しています。
  3. 浄水方式に優劣を一律に決めることはできません。活性炭にも逆浸透膜にも、それぞれ適した使い方と限界があります。

まず知っておきたい前提

「除去できる/できない」は二択ではありません

PFASの除去は、あるかないかではなく「どの条件で、何%を、いつまで」という程度の問題です。同じ活性炭でも、炭の量・水との接触時間・使用済みの度合いによって除去率は大きく変わります。だからこそ、表示に数字と条件が伴っているかが重要になります。

根拠を示すのは、販売者の責任です

景品表示法では、商品の効果・性能を表示する事業者はその表示を裏づける合理的な根拠を持っていることが求められます。消費者庁から求められた場合、事業者は原則15日以内に根拠資料を提出しなければなりません。つまり「PFAS除去」と書いている以上、根拠資料は存在しているはずのものです。示せる事業者は、たいてい自ら公開しています。

Checklist

確認したい5つのポイント

1

除去率の「数字」が書かれているか

「PFAS除去」「PFAS対応」という言葉だけでは、99%なのか30%なのか分かりません。確認すべきは除去率(%)または処理後の濃度です。「除去します」という動詞だけの表示は、性能を示したことになりません。

望ましい例:「PFOS・PFOAを80%以上低減(試験条件下)」「処理後は定量下限未満」
判断できない例:「PFAS除去」「PFAS対策に」「有害物質を除去」

2

試験規格と試験機関の名前があるか

誰がどの方法で測ったのかが、数字の信頼性を決めます。日本国内では次のいずれかが示されていれば、第三者の方法に基づいた確認が行われていると判断できます。

示されるもの内容
浄水器協会規格
JWPAS B(2023)
浄水器協会が2023年10月に定めたPFOS・PFOA除去性能の試験方法。適合した家庭用浄水器は協会が登録リストを公開しており、誰でも確認できます
NSF/ANSI 53・58米国の第三者認証。53は活性炭など、58は逆浸透膜システムの規格です
計量証明事業者
などの分析結果
公的に登録された分析機関による実測。検査成績書が発行されます

逆に、規格名も機関名もなく「自社試験」とだけある場合や、何も書かれていない場合は、その数字がどう測られたのかを判断できません

JIS S 3201について

家庭用浄水器の代表的な試験規格はJIS S 3201ですが、PFOS・PFOAはこの規格の除去対象物質には含まれていません(2026年9月時点)。浄水器協会は自主規格として試験方法を定め、現在JISへの追加を検討中と公表しています。したがって「JIS適合」という表示だけでは、PFASの除去性能を示したことにはなりません。

3

試験の「条件」が書かれているか

除去率は条件次第で変わります。次の3点が書かれているかを見てください。

  • 原水の濃度— どれくらいの濃さの水を、どこまで下げたのか
  • 時点— 新品時の値か、一定量を通水した後の値か
  • 総ろ過水量— その性能を何リットルまで保てるのか

とくに活性炭方式では、吸着できる量に限界があるため使用とともに除去率が下がります。「99%除去」が新品時だけの値である場合、交換時期を過ぎた浄水器は表示どおりの性能ではありません。総ろ過水量の記載は、その製品が性能をどこまで保証しているかを示す重要な情報です。

4

対象物質の範囲が明確か

PFASは総称で、1万種類以上あるとされる化合物群です。試験されているのは通常そのうちPFOS・PFOAの2物質で、それ以外のPFASについては測定されていないのが一般的です。

「PFASを除去」という表示が、実際には「PFOS・PFOAの2物質を試験した」という意味であることは珍しくありません。これ自体は問題ではなく、どの物質を測ったのかが明記されているかが確認点です。

5

検査成績書そのものを公開しているか

最も確実なのは、検査成績書の画像やPDFが公開されていることです。試験機関名・検体名・採取日・検査方法・定量下限・結果が記載された書面であれば、表示された数字の出どころを自分の目で確認できます。

数字だけが書かれていて成績書がない場合は、問い合わせて提示を求めるのが確実です(質問文はこちら)。

Common Misunderstandings

よくある誤解

よくある誤解

TDS計が0=PFASも除去できている

実際は:TDS計では、PFASの有無は分かりません。

TDS計(水質チェッカー)は、水の電気伝導率からイオン類の総量を推定する機器です。PFASが問題になる濃度はng/L(10億分の1グラム毎リットル)という桁で、TDS計の測定原理でも分解能でも捉えられません。

TDSが0でもPFASが残っていることはあり、逆にTDSが高くてもPFASが少ない水もあります。TDSの実演は、水の純度の目安にはなりますがPFAS除去の証明にはなりません

よくある誤解

煮沸すればPFASは減る

実際は:減りません。むしろ濃くなります。

PFASは熱に強く、煮沸しても分解されません。水が蒸発した分だけ濃度は上がります

加熱による対策は期待できないため、除去するにはろ過が必要です。

確認したい表示

「NSF認証取得」と書いてある

実際は:何の認証かによって、意味が変わります。

NSF認証には対象規格対象物質があります。「ブランドとしてNSF認証を取得」と「この製品がPFOS・PFOA低減について認証を受けている」は別の意味です。

どの規格(53/58など)の、どの物質についての認証かをご確認ください。

Ask the Seller

販売者に確認するための質問文

表示だけでは判断できないときは、購入前に質問すれば済みます。以下はそのままコピーして、通販サイトの質問欄やメールにお使いいただけるテンプレートです。

PFASの除去性能について、購入前に確認させてください。

1. PFOS・PFOAの除去率は何%でしょうか。処理後の濃度でも構いません。
2. その数値は、どの試験規格(JWPAS B、NSF/ANSI 53・58 など)に基づく、どの試験機関での結果でしょうか。
3. 試験時の原水濃度と、その除去率を保てる総ろ過水量を教えてください。
4. 試験の対象はPFOS・PFOAの2物質でしょうか。他のPFASも含まれますか。
5. 検査成績書を確認できる形(画像・PDFなど)で提示いただけますか。

※ 誠実な販売者であれば、これらは即答できる内容です。回答が得られない、あるいは「メーカーが除去すると言っている」という説明にとどまる場合は、根拠が確認できていないものとして判断されることをおすすめします。

Our Answers

当社(SimPure T1-400UV)はこう答えます

同じ5つのポイントに、当社製品について正直にお答えします。限界も含めて記載しています。

確認ポイント当社の回答
1. 除去率の数字当社が依頼した検査では、水道水から検出されたPFOS・PFOAが、ろ過後はいずれも定量下限(0.0000005 mg/L=0.5 ng/L)未満でした
2. 試験規格・機関計量証明事業登録を受けた第三者機関に依頼。検査項目はPFOA・PFOS(C8、直鎖および分岐鎖)
※ 当社製品は輸入品のため、浄水器協会(JWPAS B)の登録リストには掲載されていません。メーカーはROフィルターについてNSF/ANSI 58認証を表示しています
3. 試験の条件検体:東京都世田谷区の水道水(2024年7月採取)/ろ過後の水(2024年10月採取)。新品フィルターでの結果であり、経時的な性能は未検証です。総ろ過水量の保証値はメーカー交換目安(PP・CTO・T33:6か月、RO:12か月)に準じます
4. 対象物質PFOS・PFOAの2物質のみです。他のPFASについては測定していません
5. 成績書の公開ろ過前・ろ過後の成績書を全文公開しています(検査結果ページ

当社が書かないことにしていること

「1000種類以上の汚染物質を99.99%除去」といった表記はメーカーの資料に記載がありますが、当社が検証した数値ではないため、当社サイトでは根拠として用いていません。当社が根拠として示すのは、自ら依頼した第三者機関の検査結果のみです。

検査成績書を全文公開しています

ろ過前の水道水と、ろ過後の処理水。2通の成績書をそのまま掲載しています。数字の出どころをご自身の目でご確認ください。

検査結果を見る
参考
  1. 一般社団法人浄水器協会「浄水器によるPFAS除去について」(浄水器協会規格 JWPAS B:PFOS及びPFOA浄水能力試験方法、2023年10月制定。PFOS及びPFOA除去性能が確認された家庭用浄水器の登録リストを公開)
  2. 消費者庁「不当景品類及び不当表示防止法」第7条第2項(表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出)
  3. 環境省「PFOS・PFOAに関する情報」

本ページの記載は2026年9月時点の情報に基づきます。規格や制度は改定されることがありますので、最新の情報は各機関の公表資料をご確認ください。